コラム


 「アラフォー」パワー  No.397
 「あなたとは違うんです」のトップ10受賞を福田前首相が辞退したことを「前総理、受賞はソーリー」と流した某テレビのテロップには笑ったが、大方が思う大賞はやはり「後期高齢者」ではなかったろうか。ちょっと違和感が残る今年の「新語・流行語大賞」だったが、ともあれ、お笑いタレント、エド・はるみの「グ〜!」と、天海祐希主演のTBS系テレビドラマのタイトルにもなった「アラフォー」が選ばれた。

 「Around40」の略の「アラフォー」。40歳前後の、なぜか女性を指す。2005年創刊の女性誌「ジゼル」が言い始めた「アラサー(Around30)」の後を追い、当初はファッション業界用語として使われ始め、広まった。1986年に施行された男女雇用機会均等法のもとで社会進出を果たし、キャリアを積んだ世代。

 「新語ウォッチャー」もり・ひろし氏は、彼女たちを「仕事・結婚・出産・趣味などの人生の選択肢を比較的自由に選び取ってきた」、言い換えれば「仕事と結婚という二者選択から逃れた最初の世代」である半面、管理職にはなってもそれ以上の要職には就けない「ガラスの天井」というジレンマを抱える点で、「最先端の世代である一方、新しい生き方にもがく『苦悩の世代』でもある」とネットのコラムで評している。

 雑誌「AERA」12月1日号が「東京より強い名古屋女 〜男前なヨクバリージョが住む街」を掲載している。取り上げたのは、ファイナンシャルプランナー、人材育成コンサルタント会社、マーケティング会社、ネイルサロン経営者など多彩な職種の、「アラフォー」世代の少し先輩格に当たる女性起業家たちの元気な姿だ。名古屋市内の居酒屋に月1回集まって本音で話し合い、互いの励みにしているという。

 そんな「元気な女性起業家」が、とくに名古屋には多いのは、なぜか――。

 「名古屋はメーカーが多く、熱心な労働組合がたくさんあるので、労使交渉の中でワークライフバランスやダイバシティ(多様性)などが経営課題として取り上げられ易く、女性が職場で長く働ける環境が整っている」からだと記事は分析している。

 「生産王国・愛知」が元気をなくしつつある昨今、彼女たちの活躍は結構な話だ。ただ、その活躍分野が主にサービス業で、GNPを大きく押し上げるパワーにまではなりにくい点が惜しい……などと書くと、「アラフォー」ならぬ「アラカン」―― いえ「嵐勘寿郎」ではなく「Around還暦」世代の男たちの負け惜しみと受け取られるだろうか。

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